ほなみクリニック

ほなみクリニック

MENU

コラム

column

ピロリ菌感染と鳥肌胃炎

  • 2019年4月1日

みなさまもご存知のヘリコバクター・ピロリについてです。
胃・十二指腸潰瘍や胃がんの原因となることは有名です。胃がん以外にも胃MALTリンパ腫や特発性血小板減少性紫斑病なども引き起こされることがあります。

ピロリ菌の感染経路はまだ完全には解明されていませんが、一般に幼少期に水や食べ物、唾液などを介して口からと考えられています。
70代以上の方での感染率が高いですが、若い方でも感染している方はいます。

若い方の感染例で内視鏡をしていてドキッとするのはいわゆる鳥肌胃炎に遭遇した時です。
鳥肌胃炎とは粘膜下のリンパ濾胞が増生して凸凹した状態になり鳥肌がたった皮膚のように見えるものです。(画像あり)
この胃炎は胃がんのリスクが非常に高いので、見つけ次第患者さんには必ず除菌治療を受けていただきます。そして若くても定期的に内視鏡検査を受けるように説明します。
このタイプでは未分化型の胃がんが発生することが多く、長期のピロリ菌にさらされて引きおこされる慢性萎縮性胃炎から分化型の胃がんが発生する流れとはまた違ったメカニズムです。

さて、自分がピロリ菌に感染しているかどうかはどうやって調べるのでしょうか。
医療機関で行う場合、以下のような方法があります。
①採血による抗体検査
②尿素呼気試験(薬を飲む前後で呼気を採取)
③便中の抗原検査
④内視鏡での生検、病理検査(組織をとって顕微鏡で確認)

胃の内視鏡をして保険診療で検査を受けるという選択肢の他に、医療機関を受診しなくても自分で検査ができるキットなどがAmazonでも買えます。
いずれにしても検査を受けることは大切で、まだ調べたことがない方は自分がピロリ菌に感染しているか否かをぜひ確認してください。

最近の投稿

月別アーカイブ